バイバイEssential

 Essential Phoneというスマートフォンをご存知だろうか? Androidの父と呼ばれるアンディ・ルービン氏が2017年に市場に送り出したAndroid搭載スマートフォンだ。iPhoneXよりも早くノッチを採用したり、当時のスマートフォンとしては珍しくUSB PD規格に対応していたり、現在のトレンドの最先端であったことは間違いない。そんなEssential Phoneを生み出したEssential Productsから、今朝悲しいニュースが飛んできた。
 会社の規模は縮小しつつ閉鎖へ。それに伴い、Essential Phoneのセキュリティアップデートは先日配信分で終了。また以前から公開されていた次期製品Project GEMの開発及び販売を断念とのこと。
 かくいう私もEssential Phoneユーザーを約2年続けていて、今でもメイン機として使っているし、Project GEMもとてもたのしみにしていた。セキュリティアップデートは発売から2年半続いたことになる(Google Pixelシリーズは3年)ので文句はないが、Project GEMの開発中止、そして今後Essentialブランドのスマートフォンが出ることがなくなったというのは胸が締め付けられるような思いである。
 今回の件について前兆がなかったわけではない。以前からEssential社の経営不振はさまざまなメディアで取り上げられていたし、いちユーザーの視点からも、ほぼ唯一のプロダクトであるEssential Phoneは売れているようには見えなかった。それでも新製品のコンセプト写真などを投稿したり、毎月Pixelシリーズ並みのセキュリティアップデートを提供するなど精力的に活動していたので、たいへん残念である。
 私にとっての問題はこうなってくると次のスマートフォン選びで、完全にProject GEMを買う気でいたのでまた端末選びから始めなければならない。さすがに2年間毎日ハードに使うとスマートフォンも万全な状況ではなくなってくるので、Essential Phoneを今後も使い続けるというのはどうしても無理な話なのだ。
 とはいえEssential Phoneはとてもいいスマートフォンだった。細かな不具合や不満はあったけれど、Pixel以上にピュアなAndroid OSを搭載したスマートフォンなんて当時はなかなかお目にかかれなかった。ありがとう、Essential。このデザインセンスを受け継ぐスマートフォンが今後現れることを願う。


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